加齢性難聴とは

「加齢性難聴」とは、加齢により進行する難聴で、「年齢以外に特別な原因がないもの」です。

最初は、お風呂が沸いた時のお知らせ音や体温計の電子音などの高い周波数の音が聞こえにくくなり、進行すると、日常生活の会話の言葉の聞き取りが難しくなってきます。

言葉の聞き取りが困難になってくると、
・呼ばれているのに気づかない
・聞き返すことが増える
・TVのボリュームが高くなる
・話す声が大きくなる

といった症状や行動が増えてきます。

さらに、難聴が進むと、
・日常会話がスムーズにできなくなり、意志の疎通がうまくできなくなる
・聞こえるように大きな声で話すようになるのでお互いに疲れる
・聞き返すことを躊躇ったり、自分からコミュニケーションを取ることを諦めてしまう

といった問題が起きてきます。

このような状態になると、
家族やコミュニティの中で孤立した状態になり、
それが元で、抑うつ状態認知症につながる場合があります。
「難聴」が「認知症の最も高い危険因子」だとも言われています。

    

加齢性難聴の対処法

加齢性難聴には、根本的な治療はありません。

ただ、聴力補助器(補聴器や集音器)を利用して「聞こえ」を改善することはできます。

聴力補助器は、本人の現在の聞こえに合った適切なものを選ぶことが大切です。

使い始めは、場面によって音が大きく感じられたり、逆に小さく感じられたりする場合があります。

適宜調整を繰り返しながら、本人の聞こえにあったものにしていくことで、「聞こえ」が改善することが見込まれます。

   

ご家族・周囲の方へ

難聴の症状がある方は、概して「言葉の聞き取り」が困難になります。

このような方とお話をする際は、できるだけ「ゆっくり」「はっきり」話すようにすることで、より聞こえやすくなります。