耳鼻科の受診

ご自身や親御さんの聞こえが悪くなったと感じたら、まずは耳鼻科を受診しましょう。

何が原因で聞こえが悪くなっているのかを確認することは、とても大切です。

特に、急な聞こえの変化、耳垂れ、耳の中の痛み、めまい、頭痛などの症状がある場合は、必ず病院を受診しましょう。

聞こえが悪くなっている原因としては、

・耳垢栓塞(耳垢が耳の穴を栓をするように蓋をすること) 
・急性中耳炎
・滲出性中耳炎
・慢性中耳炎
・外耳炎
・耳鳴り
・めまい
・メニエール病
・聴神経腫瘍
・髄膜炎後の後遺症
・難聴(伝音性難聴・感音性難聴)
・低音障害型難聴
・突発性難聴

などが挙げられます。

治療が必要だと判断された場合は、早期に治療を始めることで、聴力が回復したり、それ以上の悪化を防ぐことができます。

     

加齢性難聴(老人性難聴)と言われたら…

加齢性難聴(老人性難聴)は、上記の「感音性難聴」に当たります。

年齢以外の特別な原因がないにも関わらず、聴力の低下が見られ、特に言葉の聞き取りが難しくなります。

耳鼻科を受診し、先生から「聞こえの低下の原因は加齢によるものです」、「治療をしてもこれ以上聴力が回復することはありません」と診断されたら、聴力補助器の購入・装用を検討しましょう。

聞こえの低下を、聴力補助器を装用し補ってあげることで、残った聴力を最大限に生かすことができます。

    

補聴器と集音器の違い

聞こえを補う聴力補助器には、大きく分けて「補聴器」と「集音器」の2種類があります。

1.補聴器

国が認めた医療機器です。

購入は、病院や補聴器専門店、メガネ店、電気店、その他には、インターネットを通して購入するケースも増えてきています。

【補聴器のメリット】

・医療器具なので、信頼感・安心感がある

・耳穴型、耳かけ型など比較的小さい形状のものが多いので、他の方からは使用しているのが分からない

・所定の手続きを経て補聴器を購入した場合は、「医療費控除」の対象となる場合がある
(補聴器の医療費控除の手続きにつきましては、ご確認くださいますようお願いいたします)

【補聴器のデメリット】

・高額な場合が多い

・比較的器具が小さいため、紛失する場合がある
(現在は、ポケット型(箱型)というものもあります)

・個人での調整が難しく、調整が必要な場合は、補聴器を購入した販売店で調整をしてもらう必要性がある場合が多い

    

2.集音器

マイクで音を集め、その音を大きくして耳に届ける装置です。

【集音器のメリット】

・医療機器ではないため、インターネットや補聴器専門店以外のお店でも購入できる

・価格が比較的安価である

【集音器のデメリット】

・医療機器ではないため、補聴器に比べ、信頼感・安心感がないような印象がある

・商品によっては、調整が難しく、アフターフォローがない場合もある

現在は、補聴器、集音器ともに様々なタイプがあり、取扱店も増えてきていますので、補聴器、集音器の善し悪しの判断が難しくなってきています。

     

聴力補助器を選ぶポイント

もし、聞こえの低下をこれらの聴力補助器で補う必要性がある場合は、いくつかのお店でお話を聞き、下記のポイントを参考に、聴力補助器を選ばれると良いと思います。

お店選びのポイント

・症状や聞こえの低下による困りごとについて丁寧に聞いてくれること

・聴力補助器の説明を丁寧にしてくれること

・アフターフォローがあること   

商品選びのポイント

・耐久性があること

・紛失しにくいものであること

・聴力補助器を装用するご本人が、自分自身で聞こえの調整がしやすい機器であること
(聞こえは、ご自身の体調や聞こえの能力、使用する場所で変化しますので、聞こえに合わせて調整しやすい機器であることが望まれます)

以上をご参考に、自分の聞こえにピッタリ合った聴力補助器をお選びください。